こちらでは、NPO法人世界遺産アカデミーの「世界遺産検定2級」の合格60点に向けて、「基礎知識」について練習問題と解説で必要な情報を紹介していますので、ご活用頂ければ幸いです。(※練習問題は過去問題などを参考に作成しています。)
世界遺産検定2級合格ー基礎知識 ②:世界遺産の定義
◆ 学習のポイント
「顕著な普遍的価値」を有する世界遺産は、大きく3つのカテゴリー「文化遺産」「自然遺産」「複合遺産」に分類されています。ここでの学習のポイントは、3種類の遺産に「危機遺産」と「負の遺産」を合わせて、5つの世界遺産の定義を理解することです。
基礎知識②の練習問題
1⃣ 世界遺産としてもっているとされる価値として、正しいのはどれか。
【難易度:低】
2⃣ 2019年7月現在、世界遺産の登録状況として、正しいのはどれか。
【難易度:中】
3⃣ 顕著な普遍的価値が損なわれたと判断され、危機遺産リストに記載されることなく世界遺産リストから抹消された遺産として、正しいものはどれか。
【難易度:中】
練習問題の解説
◆ 世界遺産とは
世界遺産とは、「顕著な普遍的価値」を有する自然や生態系保存地域、記念建造物、遺跡である。
そうした世界遺産は、世界中の人々が協力しながら守っていく必要があります。
「顕著な普遍的価値」(=Outstanding Universal Value:OUV)とは、国家や文化、民族、宗教、性別などという枠組みを越え、人類全体にとって現在だけでなく将来世代にも共通した重要性を持つような、傑出した文化的な意義や自然的な価値を意味する。
・ 顕著 : はっきりと目立つ、際立っている
・ 普遍的: すべてのものに当てはまる、すべてに共通する
つまり、世界遺産がもつ「顕著な普遍的価値」とは、どの国や地域の人でも、いつの時代のどの世代の人でも、どんな信仰や価値観をもつ人でも、同じように素晴らしいと感じる価値です。
世界遺産は世界中の人々が大切に思い守ってゆく「人類共通の財産」と言えます。
◆ 世界遺産の種類
世界遺産は大きく3つのカテゴリーに分かれます。
尚、対象は有形の不動産で、絵画などの動産はNGです。
① 文化遺産:人類が生み出した記念物や建造物群、文化的景観など
② 自然遺産:地球の歴史や動植物の進化を伝える地形や景観、生態系など
③ 複合遺産:文化遺産と自然遺産、両方の価値を兼ね備えているもの
現在(2020年7月時点)、世界には世界遺産が1,121件あります。
イタリアと中国が一番多くの世界遺産をもっていて、それぞれ55件あります。
一方で、世界遺産がまだ1つもない国もあります。
日本には23件(文化遺産19件、自然遺産4件)の世界遺産があり、世界で12番目に多くの世界遺産をもつ国です。
④ 危機遺産:危機にさらされる世界遺産リスト(危機遺産リスト)に登録されている遺産。
- オマーン国の「アラビアオリックスの保護地区」は、天然資源採取のために保護地区を90%削減政策を取り、危機遺産リストに記載されることなく、2007年に世界遺産リストから抹消された。
- ドイツ連邦共和国の「ドレスデン・エルベ渓谷」は、住民投票で生活の利便性を向上させるためにエルベ川に近代的な橋を建設。危機遺産リストに記載された後、橋建設が開始され2009年に世界遺産リストから削除された。
現在までに登録抹消された遺産は上記2件のみです。
2019年7月現在、危機遺産の総数は53件。
⑤ 負の遺産:地球の歴史や動植物の進化を伝える地形や景観、生態系など
世界遺産条約では定義されていないが、戦争・紛争、人種差別など、人類が犯した過ちを記憶にとどめ教訓とする遺産です。
一般的には、奴隷貿易の証拠である『ゴレ島』や、ホロコーストの非人道性を伝える「アウシュヴィッツ・ピルケナウ」などが該当します。
また「広島平和記念碑(原爆ドーム)」も該当します。
▶ 関連記事の紹介
終わり
世界遺産は、過去から現在へと引き継がれてきたかけがいのない人類共通の財産です。そんな世界遺産を未来へ引き継ぐために、世界遺産を学び理解を深めたいものです。
近年、世界遺産を巡る旅が注目される中、世界遺産の知識があれば旅の楽しみも倍増です。
2020年にNPO法人世界遺産アカデミーの「世界遺産検定2級」を受験し一発合格しました。次は1級受験を目指し、その対策をブログで紹介して行きます。
初めに2級試験対策の振り返りながら、1級試験対策を掲載予定です。
市販の過去問題やテキストなどを参考に練習問題を作成していますので、高得点や合格確実を目指している方は、他のサイトなども合わせて参考にされることをお勧めします。
また、世界遺産にご興味を持って頂けるような記事も書いて行きますので、ご関心がありましたら、ご一緒に取り組んで頂けると嬉しいです。
最後までご覧くださいましてありがとうございました。
次回もよろしくです。
▶ 学習に便利な書籍紹介
▶世界遺産検定2級の出題割合(問題数60問、試験時間60分間)
・基礎知識:20% ・日本の世界遺産(23件):25% ・世界の文化遺産:35% ・世界の自然遺産 ・時事ネタ:10% (※世界の文化・自然遺産の出題範囲は300件が対象です)
初めに基礎知識と日本の世界遺産23件を着実に習得して、時事ネタ(試験6ゕ月前からの新聞・ニュースなど参照)も合わせながら、全体の55%を獲得できる知識を身に着けることで、確実に合格圏内に近づきます。頑張れば1ゕ月程で試験対策ができます。