こちらでは、NPO法人世界遺産アカデミーの「世界遺産検定2級」の合格60点に向けて、「基礎知識」について練習問題と解説で必要な情報を紹介していますので、ご活用頂ければ幸いです。(※練習問題は過去問題などを参考に作成しています。)
世界遺産検定2級合格ー基礎知識 ③:世界遺産登録に関わる機関
◆ 学習のポイント
世界遺産登録に関わる機関は世界遺産委員会とその諮問機関になります。ここでの学習のポイントは、世界遺産条約締約会議を含めて、世界遺産登録に関わる機関を理解することです。
基礎知識③の練習問題
1⃣ 世界遺産委員会に3つある諮問機関の「IUCN」の正式名称( A )と、本部の場所( B )に組み合わせとして、正しいものはどれか。
【難易度:高】
2⃣ 「真正性」という概念を示したヴェネツィア憲章の考え方に基づいて設立された機関として、正しいものはどれか。
【難易度:中】
3⃣ 世界遺産委員会の説明として、正しいものはどれか。
【難易度:中】
練習問題の解説
▶ 世界遺産条約締約国会議
世界遺産条約採択の全締約国による会議。(2018年にアメリカとイスラエルが脱退。2020年7月現在の締約数は194ゕ国 ※引用先:外務省HP)
2年に一度開催(ユネスコ総会の通常会期の間に開催)。
第1回目は1976年ケニア・ナイロビで開催。
(議題)
▶ 世界遺産委員会
21ゕ国の委員国で構成。
通常毎年1回開催(時期は6~7月頃)。
世界遺産条約では、委員国の在任期間を6年と定めているが、より多くの国に委員国に選出される機会を与えるために、作業指針では自発的に任期を4年に短縮することや、任期後に連続して委員国を務めることを自粛するよう推奨されています。
(審議内容)
・世界遺産リストの更新(登録推薦の世界遺産の決議)やモニタリング
・危機遺産リストの更新
・作業指針の改定 など
◆ 登録推薦された世界遺産を4段階で決議
- 登録 :世界遺産の登録決議(登録おめでとう!)
- 情報照会 :追加情報を求める決議(3年以内に再提出されない場合は新たな登録推薦になる)
- 登録延期 :再調査か推薦書の改定を求める決議
- 不登録 :登録不適の決議(例外を除き原則登録不可)
◆ 世界遺産登録推薦の件数制限
世界遺産リストの信頼性確保のため、2019年より1締約国からの推薦上限を1件とし、1回の審議数は35件になった。
世界遺産条約第8条に基づいて設置された政府間委員会。委員会会合が毎年1回6-7月頃に開催される他,特定の問題を解決するために特別会合が不定期で開催される。
▶ 世界遺産センター(世界遺産委員会事務局)
1992年設立、パリのユネスコ本部内に常設。
(役割)
・世界遺産リストへの登録推薦書の受理や登録、及び諮問機関への調査依頼。
・世界遺産の広報活動 など
▶ 世界遺産委員会の諮問機関
◆ IUCN(国際自然保護連合:International Union for Conservation of Nature)
1948年設立、本部はスイス連邦のグラン。
国家、政府、NGO団体などで構成される国際的な自然保護団体。
世界遺産センターからの依頼を受けて、自然遺産候補の現地調査及び審議を行う。
レッドリスト「絶滅の恐れのある生物種のレッドリスト」を作成・発表している。
◆ ICOMOS(国際記念物遺跡会議:International Council on Monuments and Sites)
1965年設立、本部フランス共和国のパリ、非政府機関(NGO)。
ヴェネツィア憲章(1964年)を基に文化財の保存方法に詳しい専門家や団体で構成。
世界遺産センターからの依頼を受けて、文化遺産候補の現地調査及び審議を行う。
◆ ICCROM(文化財の保存及び修復の研究のための国際センター:International Centre for the Study of the Preservation and Restoration of Cultural Property)
1965年設立、本部はイタリア共和国のローマ、ユネスコによって設立された文化遺産保存に関する政府間組織(別名:ローマセンター)。
不動産と動産の文化遺産の保全を推進や専門家や技術者の人材育成などを行う。
▶ 世界遺産基金
世界遺産条約の締約国は2年に1度、拠出金を支払わなければなりません。
(※日本の分担金:2019年は279,910ドル(約3,000万円)拠出/引用先:外務省HP)
世界遺産基金は、世界遺産委員会が決定する目的のみ使用することができます。
多くの場合は、発展途上国の登録推薦書作成や保護管理計画書の作成、専門家の調査、自然災害や紛争からの復興などに充てられています。
2018年末にアメリカ合衆国(最大の分担金拠出国)がユネスコを脱退し、分担金の拠出を停止。脱退理由は、2011年にパレスチナがユネスコ加盟国になったことなどを受けてである。
現在、世界遺産基金の資金が大きく不足している状況で、締約国以外の国や政府間機関、個人からの拠出金や贈与・遺贈をも貴重な財源としてる。
▶ 関連記事の紹介
終わり
世界遺産は、過去から現在へと引き継がれてきたかけがいのない人類共通の財産です。そんな世界遺産を未来へ引き継ぐために、世界遺産を学び理解を深めたいものです。
近年、世界遺産を巡る旅が注目される中、世界遺産の知識があれば旅の楽しみも倍増です。
2020年にNPO法人世界遺産アカデミーの「世界遺産検定2級」を受験し一発合格しました。次は1級受験を目指し、その対策をブログで紹介して行きます。
初めに2級試験対策の振り返りながら、1級試験対策を掲載予定です。
市販の過去問題やテキストなどを参考に練習問題を作成していますので、高得点や合格確実を目指している方は、他のサイトなども合わせて参考にされることをお勧めします。
また、世界遺産にご興味を持って頂けるような記事も書いて行きますので、ご関心がありましたら、ご一緒に取り組んで頂けると嬉しいです。
最後までご覧くださいましてありがとうございました。
次回もよろしくです。
▶ 学習に便利な書籍紹介
▶世界遺産検定2級の出題割合(問題数60問、試験時間60分間)
・基礎知識:20% ・日本の世界遺産(23件):25% ・世界の文化遺産:35% ・世界の自然遺産 ・時事ネタ:10% (※世界の文化・自然遺産の出題範囲は300件が対象です)
初めに基礎知識と日本の世界遺産23件を着実に習得して、時事ネタ(試験6ゕ月前からの新聞・ニュースなど参照)も合わせながら、全体の55%を獲得できる知識を身に着けることで、確実に合格圏内に近づきます。頑張れば1ゕ月程で試験対策ができます。